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ねこ展の新作できました

  • 執筆者の写真: ukyo-3
    ukyo-3
  • 7月21日
  • 読了時間: 5分

先ほどartページに画像アップしました。

明日から始まる「銀座の画廊で出逢うねこ」展の新作になります。


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アクリルも使用していますが、水墨画ベースなので、水墨画とします。


支持体等の詳細は制作過程を話していくとわかるので紹介は省きます。artページにて確認して頂けると嬉しいです。


この作品の猫は松本市の縄手通り、通称カエル通りにいたにゃんこで、気持ちよさそうだったので、いずれ作品にしようと思いラフ画描いてました。


今回は私のうっかりで制作に苦戦していたので、自戒の念を込めて記録に残させてください。



まずは明日からの展示の詳細を再アップ。

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猫展の詳細は画像を参考にしてください。


私の子も沼田沼で参加しているので、ぜひ見てほしいです。多分販売している筈。


今回の私の作品は販売していません。


去年も参加されてる作家さまもいらっしゃるので今年も華やかな展示だと思います。去年見ごたえあって楽しかったのでお勧めします。


グッズは缶バッチに新作を加え販売します。中々かわいくできたと思うの。


画像アップしておきますね。

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よかったら購入してください。



さて、宣伝もしたので、苦戦した制作過程の話をしましょう。


何故苦戦したのかの結論から言うと、古い和紙を使用したからです。


ドーサ引きの雲肌麻紙をパネルに水張りして10年以上保管してました。10年経過の和紙でも厚塗りならいけるんじゃないかとの画材屋さんからの御指南があったにもかかわらず、重大事項をウッカリ忘れて、勿体ない精神で水墨画を描き始めちゃったわけです。


描く前の雲肌麻紙の状態というと、


・ ドーサはきいてるようだったけど、部分的に怪しかった

・ 一部変色した斑点が少し出ていた


という状態でしたが、新しく購入するには高い代物なので考えちゃったのですね。

もう水張りしてあったし、斑点はうまく作品に生かせるかもと、この際使ってしまおうと思っちゃったのがいけなかった。


ねこちゃんの下図はだいぶ前にできていたので、おなじみの水で消えるタイプのチャコペーパー(グレイ)をつかい転写しました。


その後、墨で主線引きしました。


この時、水墨画独特の描き方をしようか悩みましたがやめました。今思うと、しなくて正解だったとは思います。


墨で主線を描いている時に気が付いたのです。なんか線が滲むのを。

斑点になっていた部分は斑点の大きさに墨がしみこみました。


おや?と焦りつつも全部描き終えて、念のためもう数回ドーサを引いておこうと思いました。


でドーサひいてる最中に怖い状態になったのですよ。


画像見てもらった方が速いのですが、こうです。

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ドーサひいてるのに、主線部分が明らかに変なしみこみ方してるのです。これ半渇きの状態。このぼんやりした滲みは下までしみているようで、墨の主線も薄くしてぼやかしました。


この時点で慌てて数回ドーサ引きましたが滲みが止まらない事を理解しました。


この時点で水で消えるタイプのチャコペーパーも上手く消えていませんでした。


なにかの化学反応なのか有識者さんに聞きたい状態でしたが、今から理由を追求するより描き上げる方が先決でした。時間が無かったのです。いつもそう。


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で、この時点で水墨画にするのを一旦諦めました。


この状態で作品を仕上げるには、アクリルか色鉛筆やパステル系と思いつきます。


そういえばクリアジェッソ買ってあったなと。

画像のヤツ。


これは支持体の色をそのまま生かすジェッソで、アクリル画でも油彩でも使用でき、マルチで描ける便利なジェッソです。


これ塗ってみて様子を見よう。乾いてから画面の様子みて何で描くのか決めようと決意して数回重ね塗りました。


乾かしてみたら、意外とドーサがパリッと効いてる和紙の状態に戻った様でした。

触り心地もそんな感じ。


これは水墨画でもいけるかもしれないと、陰影をつけてみたのかコチラ。

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もう少し濃くした方がいいと思いはしたものの、先日のあの滲み具合を思い出すと、その気になれず、ここから彩色しながら様子見する事にしました。


墨がいけたなら顔料もいけるだろうと、当初の水墨画に的を絞りつつ、滲ませながらぼかす手法は怪しいので極力使わない様に決めました。


画面の状態から、液体マスキングも使用できそうだったので、それも駆使しました。


結論、液体マスキングは何度も重ねて剥がしてを繰り返すとジェッソが弱る気がしました。けど今回は何とか創造の範疇内におさまりました。


和紙での液体マスキングの使用は、ドーサがバリっと効いている和紙でないと難しいとおもいます。透明ジェッソはそういう意味でも表現の幅を広げる気がしました。


ちなみに液体マスキングは彩色した上に塗ってはいけません。絵具を溶かしてそぎます。これは多分水彩でも同じだと思います。


数回やらかして「ソゲティン!ソゲティン!」と叫びながら治しました。


描いているとハイになってくるので、変な自作歌も歌うしアホは事ばかり吐き散らし、普段にもまして50代の熟練した女性ではなくなるので他人にお見せできない感じですが、おかげさまで期日までに形にできました。

ハイになっていると、何を選ぶかが楽に正確性高く動ける様になるので、このままがいい。落ち着くことはできません。きっと一生このままだと思います。


額は買ってあったものを使用しているので油彩額でなんだか面白い感じになりました。

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でも中々いけると思う。いい額選んだな私。


紙の状態が良かったら、もう少し水墨画的技術も出せた気がしますが、これはこれで面白い作品になりました。


クリアジェッソ、思いのほか、使える幅が広いです。


数年前に画材屋さんにお勧めしていただき購入したものが、ここでめっちゃ活躍しました。

ありがとう。信濃画房さん。ありがとう。ありがとう。


和紙の扱いを教えてくださったのは、違う画材屋さんです。


誰かに支えられて制作しているのだと、改めて感じた作品でした。

ありがとうございました。


自戒と感謝を、改めてここに残します。

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